中年の危機を乗り越える作業療法士のブログ

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回復期病院における作業療法プロセス実践のコツ⑥プログラムの実施

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みなさん こんにちは  作業療法士のblueskycarpです^_^

 

回復期病院における作業療法プロセス実践のコツ⑥ではプログラム実施のポイントについてまとめます。

 

今回のコツ、ポイントは以下4点です。

 

①動きやすい、動きたいと感じれる心身のコンディショニング支援をする

②治療手段としての作業の提供は、機能障害の改善にどう寄与できるのか説明できるものである

③目的としての作業の提供では、活動と参加、健康と降伏にどう寄与できるのか説明できるものである

④提供する作業、プログラムは対象者が没頭できるものである

 

 

コツ①についてはまず、対象者の関心は自身の身体の不具合に焦点があたっていることが多いので、まずはしっかりその部分にかかわることがラポールの形成、そしてその先の作業の提供の受け入れに好影響を及ぼします。

 

痛み、動きにくさ、動くことへの不安などを丁寧な接触と誘導、安全で反復した運動トレーニングを通じてで少しでも軽減するプログラムを提供します。

 

その為には解剖学、運動学、生理学、心理学、エビテンスに基づいた技術の提供が欠かせません。

 

 

コツ②についてはコツ①に引き続いて対象者には具体的な作業、活動を遂行していただくことになります。

 

例えば折り紙や組紐といったクラフト活動に取り組むことがどう麻痺や痛みといった運動性の機能障害、注意や記憶力といった認知機能の障害の改善に寄与するのかを対象者に説明できるものである必要があります。

 

説明する為にはやはり解剖学、運動学、生理学、心理学、エビデンスといった知識が欠かせません。

 

 

コツ③については作業をする目的やメリットを個人レベル、一人称の視点から他者の存在を想定した参加レベルと健康と幸福という視点での説明が重要となります。

 

健康や幸福の促進にはより入院生活を超えた長期的視点と他者との関わりの視点が必要となってきます。

 

他者に期待される作業、他者に貢献する作業の遂行が健康状態や幸福度に強い影響を及ぼします。

 

説明のためには健康とは、幸福とはといった保健や哲学領域の知識が必要になってきます。

 

 

最後のコツ④については、何より対象者がプログラムに没頭している、集中していることが重要です。

 

最近ではエンゲージメントという言葉で表現される要素です。

 

対象者の強みを生かし、意義を感じ、少し挑戦的な課題、作業に没頭できているプログラムを提供できているか?

 

少なくとも作業療法の時間は過去への執着や未来への不安から離れて「今この瞬間」を生きる取り組みを遂行できている時、つまりマインドフルな状況を提供できてている時、短時間ですが幸福を促進している作業療法と言えるのではないかと考えています。

 

 

以上プログラム実施にあたってのコツをまとめてみました。

 

 

次回は回復期病院における作業療法プロセス実践のコツ⑦では多職種連携についてそのコツをまとめていきます。