みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
作業療法の対象者の多くは移動、外出の不自由を抱えています。
怪我や病気による身体的な要因、入院・療養生活による環境的な要因によって自由な外出が制限されています。
外に自由に出れないという状況は対象者の健康と幸福を阻害する要因になります。
そこで作業療法として散歩という活動を選択し、提供する事例があるわけですが、散歩を作業療法として提供するにあたっては健康促進効果とその背景を適切に説明できる必要があります。
説明できることが、根拠のある作業療法の提供とともに対象者の活動への動機付けを高める、他職種への作業療法の理解の促進にもつながります。
今回は散歩の健康促進効果とその背景について共有します。
散歩、特に午前中の散歩(朝散歩)はうつの軽減効果、睡眠の質の改善、骨粗鬆症の予防があるとされています。
そしてその効果の背景には主にセロトニンという神経伝達物質が関与しています。
散歩の要素、日光に浴びる、歩くといった身体のリズム運動(交互反復運動)がセロトニンの分泌を促進します。
セロトニンは脳内物質のバランスをとる指揮者的な役割を果たし、気分や感情の安定、心身のストレス軽減効果(痛みの軽減)、集中力を高める効果などがあるとされています。
またセロトニンは睡眠を促すメラトニンの前駆物質としての、睡眠の質を高めるためには必要な物質でもあります。
散歩をすることによってセロトニンが分泌され、病気や怪我による心身のストレスの緩和、睡眠の質の向上による日中の活動の土台づくりを支援することにつながります。
そしてそのことで、日中のしたい活動、する必要がある活動、することを期待される活動をより効果的に支援することが可能になります。
作業療法士は根拠を持って散歩という活動を提供することが求められます。
今回は散歩の健康促進効果とその背景についてセロトニンという神経伝達伝達物質に基づいて簡単に解説してみました。
作業療法士は提供する活動について解剖学、運動学、生理学、心理学、エビデンス情報に基づいて説明できるように知識のアップデートをしていきましょう。