中年の危機を乗り越える作業療法士のブログ

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

訓練拒否への対応②〜行動経済学の知見に基づいて〜

療法士であれば誰もが経験する対象者の訓練拒否への対応について、今回は行動経済学の知見に基づいて、その理解と対応についてまとめます。 そもそも経済学は人々が、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのような方法で「意思決定」「行動選択」するのかを解…

訓練拒否への対応①

訓練拒否という事態は、療法士であればだれもが経験し、事態が継続すれば頭を悩ませる問題です。誰もが経験する問題ですが、その対応については十分に卒前、卒後ともに教育がなされていないのではないかというのが僕の見解です。そのため昨年末に職場(リハ…

反復訓練の間隔(休憩)をデザインする

僕は、運動学習を促進するための戦略として、間隔伸張法(記憶のリハビリテーションの一手法)を考慮した運動促通、ADL練習を実施しています。効率的効果的な運動学習のためには量的練習、つまり反復が重要です。一方でその反復の間つまり休憩をどうデザイン…

運動学習を促進するための休息・睡眠

年齢を重ねてきて、休日に平日よりゆっくり朝寝坊しようとすると調子が悪くなるようになりました。若い頃は昼まで寝ていたのに、今は9時が限度です^_^ さて、休息・睡眠の有無、質がリハビリテーション、運動学習に影響を及ぼすことが研究でしめされています…

脳卒中リハにおける目標設定

季刊「脳卒中リハビリテーション」04 脳卒中リハにおける目標設定を読みました。これから、そしてこれからも脳卒中リハに関わるセラピストにとって必読の内容であることに間違いありません^_^ 「脳卒中リハビリテーション」 第1巻第4号 (geneーbooks) 作者…

ホリエモンの幸福論

堀江貴文氏(以下ホリエモン)の本を読みました。 バカとつき合うな 作者: 堀江貴文,西野亮廣 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 彼の言説はとてもラディカルで、好き嫌いが分かれるところかもしれ…

問題解決型アプローチと解決志向型アプローチ

作業療法は対象者が抱える生活、経験上の問題を解決・解消し、よりより生活・経験を支援する方法論、技術であると考えています。 問題を解決するにあたってのアプローチは2つあるとされています。 一つは問題の原因を分析、特定し、その原因を解消することで…

前頭前野活性化ゲーム

今朝、出勤するとスタッフが発熱のためお休みとのこと。僕の職場は365日リハを提供する回復期です。その為休んだスタッフが実施するはずだった訓練を、ほかのスタッフで代行せねばなりません。しかも、平日よりも土日、祝日の人員は少ない設定になっている為…

回復期の作業療法士として参加しておきたい研修情報(西日本に偏向ぎみ)

昨今はさまざまな研修会があるので、どんな研修に参加すべきか戸惑う若い作業療法士の方もいるかもしれません。 僕たち回復期の作業療法士が提供するサービス、支援は実践的な技術であるので、座学による情報のインプットだけに終始せず、技術のアウトプット…

セラピストの腰痛対策

僕自身若い頃、20代の頃は腰痛を抱えて仕事をしていました。就職して3〜4年目くらいから鈍痛があったと記憶しています。当時は老健で100人くらいの入所者さんのリハ(離床のためのレク、少しの機能訓練、看護介護職の方々へのADL指導など)をやっていました…

40超えたおっさんがあいみょんを聞く理由

年末、紅白であいみょんを知りました。それからユーチューブであいみょんの楽曲をよく聞くようになりました。とても刺激的な歌詞の世界でありながら、メロディーやコード進行、音楽の雰囲気が40超えたおっさんにも心地よいでのす。とくに「マリーゴールド」…

その人らしさとは?

その人らしい生活、作業を実現するための作業療法をずっと探索して提供しようと試みてきました。 ただその人らしさがいまいち理解できずにいました。以下の京極先生のユーチューブ動画で、その人らしいとはどういうことか明確になった、理解が深まったと感じ…

作業療法士として押さえておきたいweb情報

昨今はネット、WEB上から無料もしくは安価で作業療法士として成長し、患者に貢献するための非常に有益な情報を手にすることができる時代になりました。今回の記事では僕が特にオススメするネットコンテンツ3傑を紹介します。 1傑目、まずはなんといっても吉…

ピグマリオン効果とゴーレム効果

ビジネス領域の書籍には、マネジャー・上司がどのくらい部下に期待しているかによって、部下の扱いは微妙に変化し、期待が大きい程、その生産性が向上する可能性が高いことが言われています。一人の人間の期待が他者の行動に及ぼす影響力の重要性は、以前か…

動作介助の教育

今日はツイッターであるPTさんによる以下のようなつぶやきがありました。 養成校でもあまり練習しない動作介助。私は以前、とある教員に「立ち上がりとか移乗とか、そんなんの練習をもっとやってほしい。あのまま学生が臨床にでたら腰痛セラピストが増えます…

結婚・お祝いのあいさつ

今夜は後輩の結婚式の二次会に出席。最後のあいさつを頼まれたので次のようなスピーチをさせていただきました。 「ご結婚おめでとうございます。いや、とりあえずおめでとうございますと言わせていただきます。 個人的な見解、シングルケースで申し訳ありま…

息づかいと意識の拡張

今日は中1の娘のフルートの発表会、アンサンブルコンテストの応援に行ってきました。僕も中学、高校と6年間吹奏楽に熱中していました。父親として、そしてOTとして娘の作業遂行がうまくいくよう次のようなアドバイスを行いました。 「緊張するのはみんな一緒…

国家試験対策

PT、OTの国家試験が迫っています。 僕が受験したのはかれこれ22年前になります。当時は国家試験対策のため問題集などはほとんどなかったと記憶しています。過去問を5年分といて、苦手な領域を教科書からまとめて、暗記するという作業をひたすら行なっていた…

この手は治りますか?

麻痺を呈した患者さん。「この手は治りますか」と聞かれることがあります。 僕は患者さんの目を見て、次のように答えるようにしています。 「治るか治らないではなく、一緒に治すんですよ」 「治る」という表現は他力な表現だと考えています。手の治療、訓練…

システムとしての脳障害

脳の機能が障害された状態を学生さんや若いスタッフに説明するとき、僕は病院という組織に例えて説明することがあります。 脳も病院組織もシステムです。システムは「機構」と訳されます。「機構」とは「機能をもつ構造体」の略語です。「機能」は簡単にいう…

入浴動作の評価・支援で大切にしていること

僕は回復期リハで作業療法をしています。患者さんの実際のADL状況を直接観察し、支援の手がかりを得て、日々の訓練を行います。その中には当然入浴動作も含まれます。入浴動作はそのほかのADLの中でも複数の動作、特殊な環境、状況下であることから難易度の…

40超えるとAMラジオが心地よくなる

まったく個人的な見解ですが、おっさんになるとAMラジオの音が心地よくなるようになりました。AMラジオは中年のメディアといった感じがしますが、みなさん、特に若い方はどうでしょうか? 最近のテレビは、クイズかバラエティー番組で興味がわかなくなってい…

「あっち」「こっち」

臨床で患者さんに動く方向を提示する際によく使う言葉「あっち」「こっち」。 僕も便利な為、よく使ってしまいます。もちろん手で方向を視覚的に指し示したり、身体を触れて情報を補足するのですが、特に認知機能が低下している方には、なるべく使わないよう…

回復を促進する言葉の使い方

患者さんの回復を促進するため、セラピーの中ではネガティブな表現、固定的な表現をなるべくしないように心がけています。個人的な感じ方もあると思いますが、いくつか例をあげてみます。 ROM運動をする際に「麻痺している手を一緒に動かしましょう」という…

作業療法がわからない

22年作業療法を生業としてますが、未だに作業療法がわからなくなることがあります。今自分が、患者さんに提供しているものは、作業療法といえるのか?と思うことがあるのです。 そんな時は良質な作業療法の書籍を読んで、自らの実践を振り返ることにしていま…