こんにちは^_^ blueskycarpです^_^
作業療法士の為の幸福学、今回はアランの幸福論を紹介し、作業療法との接点について述べたいと思います。
アラン(1868〜1951)本名エミール・シャルティエはフランスの哲学教師です。幸福論は1925年、大正14年に出版されました。原題は「幸福についてのプロポ」で幸福にまつわるエッセー集です。
アランの幸福論は楽観主義、とらわれない生き方、思考より身体・行動といったエッセンスで語ることができると思います。
特にアランはネガティブな感情(苛立ち、悲しみ、憂鬱、恐怖、不機嫌)への対処について身体を動かすこと、行動することが大事であると説いています。
「実際、人が幸せだったり、不幸だったりする理由は大して重要ではない。すべて身体の具合にかかっているだ」
「健全な精神は健全な行動から生まれる」
「…身体を動かせばそれは徐々に消えていく…」
「やる気を失った人は、行動することで筋力を錬磨しなければならない…」
「意志の力に頼るだけでは、不機嫌は到底治せるものではない。そこに必要なのは姿勢を変えて、適切に体を動かすことだ。」
「伸びやあくびをするのが、不安や苛立ちが軽くなる。最良の動作といえよう。」
「情念から解放されるのに必要なのは、思考でははなく運動なのである。」
さらにネガティブな感情(アランは情念と表現している)は考え過ぎることによって増幅されるものであると言いい、考えすぎる、想像しすぎること弊害を説いています。
「身体の調子が悪いというのは過度に用心したり不安がることに原因がある」
「最大の不幸とは、物事を悪い方に考えることではないかと思ったのだった。…想像する不幸は実際に経験する不幸より誇張されているものだと知った。」
そしてとらわれない生き方、今を大事にする生き方が幸福につながることを述べています。
「大事なことは、…余計なものは投げ捨てることである。」
「先を読みたがる好奇心という病を退治し、さらに、これから起こることに不安を覚えて慎重になりすぎるという病も治さなくてはならない。」
「過ぎ去った時間よりも、力と若さをもつのは常に今という時間だ。」
「困難なことに全力集中している人は、完全に幸福である。一方過去や未来のことを思案する人には完全な幸福は訪れない。」
僕たちの対象者は運動、行動に何らかの制限を持っている方たちとなります。
健康状態が低下したことでネガティブな感情に支配され、動けないことでそれはさらに増幅されているかもしれません。
ベッドの上で一人、過去、未来の自身の生活、生き方を頭の中で反芻して後悔や不安から胸が張り裂けそうになっているかもしれません。
僕たちはアランが重要視した身体・行動をベースにした体験的な関わりを通じて、その負のループから対象者が抜け出し幸福に向かう機会をサポートできるかもしれません。
まさに今に焦点を当てた身体・行動ベースの体験的関わりこそ、「作業療法」であると考えています。
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次回はラッセルの幸福論のエッセンスを紹介し、作業療法との接点について述べてきます。