みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
作業療法士は怪我や病気で難しくなった生活に必要な動作や活動の再獲得を支援します。
支援にあたっては対象者を動機付け、自発的に活動してもらうことが重要になります。
作業療法士は心身の状況を踏まえ対象者の興味や関心、欲求に基づいて課題や活動を選択します。
そして課題や活動を遂行する中で適宜フィードバック、賞賛し強化学習を促進します。
一方で賞賛の内容や頻度、タイミングによっては対象者の動機付けを弱め、強化学習を阻害してしまう場合もあります。
今回は対象者の動機付けを弱める要因となるアンダーマイニング効果について共有します。
アンダーマイニング効果とは内的に動機付けられた活動に対して、外的な動機付けを与えることで、その活動に対するモチベーションが低下してしまう現象です。
簡単に表現すると、元来は本人の興味、関心に基づいて自発的にやっていた活動に対して、他者からの評価(賞賛、物理的な報酬など)が入ることでむしろやる気が低下してしまうというものです。
アンダーマイニング効果に陥ると他者からの評価が得られないとやらなくなってしまうことにつながります。
これは他者から褒められること、承認欲求に依存してしまった結果起きる現象と考えられます。
臨床では作業療法士がいれば行うが、いなければ行わないといった現象、しているADLとできるADL問題の背景にアンダーマイニング現象が存在しているかもしれません。
ではアンダーマイニング効果に陥らないフィードバック、賞賛の方法とはどんなものでしょうか?
ここで役立つのがアドラー心理学の考え方です。
アドラー心理学では過度な承認欲求、他者に依存した評価を否定します。
アドラー心理学では褒めない、叱らない、勇気づけすることを提唱しています。
アドラー心理学では勇気づけとして結果よりもプロセスにフォーカスしたフィードバックを提供します。
つまりある動作や活動ができた、できなかったという結果に対する賞賛よりも、その取り組みに対する努力や姿勢に対して賞賛、強化することになります。
そしてその努力や姿勢を続ける結果として、ある活動ができた、回復を感じることができるという感覚(報酬)が得られ、内的動機付けをさらに強化できます。
今回はアンダーマイニング効果とその対処について簡単に共有しました。
アンダーマイニング効果とその対処法を知っておくことで、作業療法士はより対象者の動機付けを強化し、行動変容に繋げるフィードバックが可能になると考えています^_^