みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
作業療法士は対象者の怪我や病気によって難しくなった生活に必要な活動の再獲得を支援します。
活動の再獲得には、心身機能を改善・向上する、環境と整える、やり方を工夫するといった戦略を取ります。
僕は心身機能を改善、向上する支援としてボバースコンセプト、PNFコンセプト(国際PNF協会)を学び、それに基づく治療とトレーニングを提供しています。
いずれのコンセプトとも解剖学、運動学、生理学、神経学、心理学、エビデンス情報に基づいてルーチンでない個別的な支援を提供するアプローチです。
今回は心身機能を改善、向上する支援を提供する上で知っておきたいPNFコンセプトが提案する運動制御のステージに基づく治療戦略について簡単に共有します。
PNFコンセプト(国際PNF協会)における治療、トレーニングは運動制御のステージに基づいて組み立て、展開されます。
運動制御のステージは①運動性 → ②安定性 → ③安定性に基づく運動性 → ④スキルという階層構造で提案されています。
①運動性とはいわゆる可動性です。治療では活動に必要な可動性を確保するためのアプローチを実施します。
PNFでは運動性を低下させている筋肉に対して収縮後弛緩の原理に基づいて筋の長さを引き出し、拮抗筋の活動を促通することで必要な可動性の確保を図ります。
②安定性とは活動に必要な姿勢を保つ能力です。
PNFではまずは活動に必要な姿勢のアライメントを誘導し、そのアライメントを静的に維持するよう対象者に求めて筋活動を強化します。
簡単にいうと活動に必要な静的バランス能力の強化を図ります。
③安定性に基づく運動性とは支持基底面内から重心が逸脱しない範囲で姿勢を変化させながら四肢を動かす、つまり動的バランス能力を意味します。
筋活動としては遠心的な活動とともに主動作筋肉、拮抗筋の切り替えが必要になります。
PNFでは体幹や四肢に対して交互反復的な抵抗運動を通じて動的バランスの学習、強化を図っていきます。
④スキルとは歩行や上肢を使う活動、ADLを意味します。
スキルは①運動性、②安定性、③制御された運動性を土台、背景にして遂行されます。
PNFではスキルの学習、練習、再獲得のために①運動性、②安定性、③制御された運動性の資源、能力の拡大を図ります。
今回共有した治療戦略はPNFに限らず、ボバースコンセプトにも共通する戦略です。
まずは活動に必要な可動性を確保する→活動に必要な姿勢制御の能力を強化する→活動を実際に練習するといった流れは、活動を再獲得する治療、トレーニングの原理原則として知っておきたい内容であると考えています。
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