中年の危機を乗り越える作業療法士のブログ

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

作業療法士は知っておきたい対象者の心の状態をポジティブに支援するために学んでおきたい3つの心理学

みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです🙋‍♂️

 

作業療法士は怪我や病気で難しくなった生活に必要な動作、活動の再獲得を支援します。

 

再獲得の支援のためには対象者の心の状況を把握し、未来に向けたポジティブな意思決定や行動選択を後押しする必要があります。

 

今回は対象者の心の状態をポジティブに支援するために学んでおきたい3つの心理学について提案します💁‍♂️

 

 

対象者の心の状態をポジティブに支援するために学んでおきたい心理学①ポジティブ心理学

 

ポジティブ心理学は従来の心理学がストレス、鬱、異常行動など人の不適応行動を是正することに傾倒してきたことを批判し、個人のウェルビーイング、希望、幸福感、強みに焦点をあてて、そうした感情や特性が生じるメカニズムを解明し活用していくための学問です。

 

特に強みに基づいたアプローチの提唱は人材育成、組織論、コーチング、精神医療など領域で有効であることが実証されています。

 

幸福についての知見を得て、幸福を促進する作業療法を提供するためには必須の心理学です。

 

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対象者の心の状態をポジティブに支援するために学んでおきたい心理学②アドラー心理学

 

アドラー心理学は「勇気づけの心理学」と称されます。

 

アドラー心理学における勇気とは「困難を克服する活力」を意味します。

 

病気や怪我で困難な状況にある対象者を勇気づける考え方とコミュニケーション術について学ぶことができます。

 

またアドラー心理学では、「共同体感覚」を持つことが人の幸福を捉えます。

 

共同体感覚とは社会における所属感、信頼感、貢献感を複合した概念です。

 

特に貢献感を支援する視点は幸福を促進する作業療法の実践においては押さえておきたい内容です。

 

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対象者の心の状態をポジティブに支援するために学んでおきたい心理学③社会心理学

 

社会心理学は共同体、社会のなかでの個人の意思決定、行動選択の傾向性を学ぶことのできる心理学です。

 

時に対象者は不合理な意思決定、行動選択をすることがあります。

 

同時に作業療法士自身も対象者の支援において不合理な選択してしまうこともあります。

 

これらの背景には無意識に社会という集団から受ける影響や傾向性があります。

 

社会心理学は集団の中での意思決定や行動選択をよりポジティブに支援するためのヒントを与えてくれる心理学です。

 

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以上3つの心理学をおすすめしてみました。ご参考までに🙇‍♂️

 

関連動画🙋‍♂️


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作業療法士は知っておきたい対象者がADL訓練を拒否する理由とADL訓練を動機付けるコツ

みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです😉

 

作業療法士は怪我や病気で難しくなった生活に必要な動作や活動の再獲得を支援します。

 

生活に必要な動作、活動としてADLがあります。

 

怪我や病気によって心身の機能が低下しADLつまり起居、食事、整容、更衣、排泄、入浴、移動といった動作が独力でできない状態になります。

 

作業療法士はADLが再びできるようにトレーニングする役割があるわけですが、対象者によってそのトレーニングへの受け入れや動機付けが難しいこともあります。

 

今回はADL訓練への動機付けが難しい対象者に対して、動機付けが難しい理由とADL訓練を導入するコツについて提案、共有します。

 

 

まず対象者がADL訓練を受け入れない理由、動機付けが難しい背景についてです。

 

その理由とは関心がADLといった活動レベルではなく、主に痛みや麻痺といった心身機能・身体構造レベルにあるからと考えられます。

 

特に急性期、回復期において対象者の関心は、眼前の身体的な不具合、苦痛であることが多いのではないでしょうか?

 

今現在の苦痛である痛みや麻痺といった心身機能・身体構造レベルの不具合が解消されることで問題は解決されると考えている。

 

これは過去の障害構造モデル、ICIDHに基づいて発想です。

 

ICIDHでは疾病 → 機能障害 → 能力障害(ADL障害) → 社会的不利(参加制限)といった一方向性のモデルです。

 

対象者は直感的にICIDHモデルに基づいた発想によって自身の回復をイメージしていることでADL訓練に対する関心よりも機能障害の改善を求めるわけです。

 

 

一方で作業療法士は現在の障害構造モデルICFに基づいて心身機能・身体構造の不具合と活動レベルの不具合が相方向性に影響を及ぼすことを知っています。

 

活動レベルのトレーニング、つまりADL訓練をすることが心身機能・構造の改善にもつながることを知っているわけですが、多くの対象者はそうではありません。

 

つまり対象者と作業療法士の障害とその回復に関する認識のギャップがあることでADL訓練への受け入れや動機付けを難しくしている可能性があるわけです。

 

 

ADL訓練を導入するコツは、対象者の関心を尊重して障害の回復に対する認識のギャップを埋めるための説明が大事になります。

 

ADL訓練を取り組むことが、怪我や病気によって生じた心身機能・身体構造レベルの不具合を解消することにつながることをわかりやすく説明するわけです。

 

「服を着替える所作の中で麻痺のある腕を使うことが麻痺の回復に効果的です」

 

「トイレで排泄をする動きの中で立ち上がる、立ってバランスを取るための筋力や神経の回復が進みます」

 

対象者の心身機能・身体構造レベルの関心と退院後の生活に必要な活動レベルをつなげる動機付けをすることでADL訓練への導入がスムースになると考え実践しています🙋‍♂️

 

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作業療法士は知っておきたい拒否的な対象者の承諾率を上げるコミュニケーション技術〜フット・イン・ザ・ドア〜

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです🙋‍♂️

 

作業療法士は病気や怪我で難しくなった生活に必要な動作や活動の再獲得を支援します。

 

生活に必要な動作や活動の再獲得のためには離床の促進と、能動的な取り組み、トレーニングが必要になります。

 

しかし対象者によっては不安や苦痛によって離床やトレーニングへの提案に拒否的なこともあります。

 

今回は拒否的な対象者の承諾率が高まりやすいと考えるコミュニケーション技術「フット・イン・ザ・ドア」を解説します。

 

「フット・イン・ザ・ドア」とは社会心理学や行動経済学に基づく承諾率を上げる営業テクニックです。

 

営業マンは顧客に対して商品、商材の購入を最初に切り出すのではなく、小さな承諾(イエス)を引き出すように関わります。

 

「フット・イン・ザ・ドア」とは相手のドアの中に一度で体(大きな要求)を入れるのではなく、まずは足から入れる、小さな一歩・要求の積み重ねによって相手の承諾を得ていくことを意味します。

 

「ちょっとよろしいですか?」

 

「5分だけお話を聞いていただけますか?」

 

顧客が断ることの可能性が低い、小さなお願いを重ねることで最終的な目的となる承諾を引き出します。

 

これは社会心理学の「一貫性の原理」に基づく話法とされます。

 

人には自身の言説や行動に一貫性を持たせたいと思う心理があり、一度小さな承諾をすると、その後も自身の一貫性を保つために承諾を重ねやすくなる傾向を持つとされます。

 

こちらの関わりや提案に拒否的な対象者に対しても、「フット・イン・ザ・ドア」の話法を使って少しずつ離床やトレーニングへの承諾を引き出しやすくなると考えます。

 

また対象者は患者に拘らず、他職種や上司、部下への仕事の協力依頼にも活用できます。

 

こちらの提案や要求の承諾を得るためには、小さなお願いから出発して戦略的に承諾を引き出すことが重要となります😉

 

 

参考図書

 

作業療法士は知っておきたい健康のための第4の習慣〜デンタルケア〜

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです🙋‍♂️

 

作業療法士は人々の健康と幸福を促進するリハビリテーションの専門職です。

 

健康を促進、維持するための要素として「食事」「運動」「睡眠」の3つの習慣の重要性がよく言われています。

 

今回は上記3つ以外の健康のための重要な習慣となるデンタルケアの重要性について以下の書籍に基づいて解説、共有します。

この書籍の中でデンタルケアの重要性が述べられていました。

 

歯の痛みは人間が知覚する痛みの中では最強であり、それだけ体からの重要なサインである。

 

アメリカでは「フロスorダイ(Die)」という表現があり、歯の健康、ケアが死と関連するくらい重要であるという認識がある。

 

デンタルケア先進国であるスウェーデン、フィンランドでは数ヶ月に一度無料で歯石除去が受けられる。一方でデンタルケアを怠って虫歯になった場合は治療が全額自己負担になる。

 

ドイツでは定期的な歯科受診によるクリーニングを行なっていないと歯科治療の保険が適応されない。

 

これらの国では医療費の抑制を目的としてデンタルケア、特に歯周病予防が啓蒙されている。

 

特に歯周病がもたらす全身の健康被害は重大であり、歯周病菌が歯肉の毛細血管から体内に侵入することで、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを引き上げる。

 

重度の脳梗塞、心筋梗塞の発症は確実に体、生活の自由度を奪い、幸福度を下げます😭

 

 

最近の長年放置していた親知らずを抜きに歯医者に行きました。

 

すでに虫歯になっており、併せて幾つかの虫歯の治療を進めているところです。

 

幸い歯周病にはなっていないのですが、歯周病による全身の健康被害、リスクを考えると定期的なデンタルケアへの投資(歯科受診)をしていこうと決意した次第です🙋‍♂️

 

健康のための重要な要素として「食事」「睡眠」「運動」の習慣が3大要素として挙げられますが、「デンタルケアの習慣」もその一つとして影響力が大きく、もっと声だかに啓蒙されるべきであると改めて感じているところです💪

 

 

 

 

 

 

 

作業療法士は知っておきたい希望が湧いてくるための3つの要素

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです🙋‍♂️

 

作業療法士は怪我や病気で難しくなった生活に必要な動作や活動の再獲得を支援します。

 

再獲得のためには、将来に対する明るい見通し、つまり「希望」を持ってもらうための支援が重要になります。

 

今回は希望が湧いてくる3つの要素について解説し、作業療法士の役割について共有します。

 

 

ポジティブ心理学の研究で、人が希望を抱くための3つの要素が明らかにされています。

 

3つの要素は「価値のある目標」「発動性」「経路」です。

 

 

「価値ある目標」

希望が湧くためには、そもそも将来に対する目標、方向性が必要になります。

 

さらにはその目標が大事である、重要である、価値を感じている目標である必要があります。

 

当たり前のことですが作業療法士は対象者のやりたいこと、やる必要があること、やること期待されていることを明確にして共有することが希望を持つための出発点になります。

 

 

「発動性」

これは「自分は価値ある目標を達成できる」という感覚を意味します。

 

自己効力感と同義と考えて良いでしょう。

 

対象者が「できる」と感じることのできる目標、課題の設定が重要なります。

 

そのためには適切な難易度設定、負荷量の調整を作業療法士としてデザインすることが必要です。

 

 

「経路」

これは目標達成のための道筋を意味します。

 

目標を達成するために「何を」、「どうやって」、「いつまでに」、「どういう段階を経て」などを明確にすることで道筋が明らかになります。

 

作業療法士は適切な難易度、負荷量の課題を提供しながら、スモールステップで道筋を提案できる必要があります。

 

 

対象者の希望を引き出す支援のためには改めて目標設定とそれを実現するための課題設定(難易度調整)が改めて重要であることを3つの要素は教えてくれます。

 

対象者に希望を持っていただける作業療法を提供する上で3つの要素を念頭にした支援を提供できるよう日々邁進していきます💪

 

<参考図書>

<過去の関連記事>

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作業療法士は知っておきたい健康と幸福を左右する2つの欲求

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです😉

 

作業療法士は人々の健康と幸福を促進するリハビリ専門職です。

 

作業療法士は人々の健康と幸福に影響を与えることについて、その理解を深めていく必要があります。

 

健康と幸福に影響を与える要因として欲求の充足の有無があります。

 

人にはさまざまな欲求がありますが、欲求をどう扱うか?コントロールするか?で健康状態や幸福のあり方が良くも悪くもなります。

 

今回は健康と幸福を左右することになる2つの欲求について解説します💁‍♂️

 

 

2つの欲求とは「安楽の欲求」「充実の欲求」です。

 

「安楽の欲求」とは「楽して生きたい」と求める欲求のあり方です。

 

基本的に人は楽をしたい生き物です。

 

なぜなら人類の歴史の大半を占める狩猟採取生活において常に飢餓状態にあった人類は無駄なエネルギーを使わないように進化、適応してきたからです。

 

人は基本的欲求である食欲、睡眠欲、性欲、さらには物欲、支配欲といった私利私欲をなるべく少ないエネルギー、労力で満たしたいと考えます。

 

従って面倒なことは避けたい、現状を維持したいという思いに至ります。

 

楽を求める生き方が行きすぎると自堕落で、不健康な結果を招く可能性が高くなります。

 

一方この欲求があるおかげで人類はここまで文明や科学を発展させてきたとも言えるでしょう。

 

 

次に「充実の欲求」です。

 

「充実の欲求」とは「充実して生きたい」と求める欲求です。

 

人には「楽をして生きたい」と思う一方で「充実して生きたい」と求める欲求も併せ持っています。

 

自己成長、自己実現、価値の実現、社会への貢献のための欲求です。

 

充実のためには多少の面倒は厭わない、責任を持ち、新しいことにも挑戦する。

 

アリストテレスは充実感に基づく幸福のあり方を「ユーダイモニア」と言いました。

 

自身の強みを活かして価値を感じる、意義あることに没頭することで得られる喜びが充実の欲求を満たしてくれることになります。

 

 

健康と幸福のためには「楽をして生きたい」「充実して生きたい」という2つの欲求のバランスをうまく取ることが重要と考えます。

 

特に人はどうしても「楽をして生きたい」という欲求に支配されがち、偏りがちです。

 

「楽をして生きたい」という欲求をコントロールしつつ、「充実の欲求」を得ることのできる取り組み、活動を習慣にすることが、健康と幸福につながると考えます🤗

 

参考図書

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業療法士は知っておきたい健康に良い行動を習慣化している人の特徴

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです😉

 

作業療法士は対象者の健康と幸福を促進する活動、行動の習慣化を支援します。

 

特に健康に良い行動の習慣化を支援するにあっては、すでに健康に良い行動を習慣化している人の特徴を知っておくことで、習慣化がまだの対象者や難しい対象者に対しての必要な支援を考える材料となります。

 

今回は健康に良い行動(以下、健康行動)を習慣化している人の特徴について提案し、習慣化のための支援のあり方について解説します💁‍♂️

 

特徴①「なりたい自分」が明確である

健康行動を習慣化している人は健康行動は「なりたい自分」を実現するための手段であると考えます。

 

「なりたい自分」、「ありたい自分」を明確に設定することは、それに向かった取り組みを継続する力になります。

 

「なりたい自分」を明確にするには、自身の興味・関心、強み、価値観に基づいて「本当にやりたいこと」を知ることが必要となります。

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現状を把握し、理想を設定する、そしてその実現のために健康行動を選択し、習慣化するという手順が支援においても重要となります。

 

特徴②「誰のためか」が明確である

健康行動を習慣化している人は、「なりたい自分」が実現したときに誰が喜んでくれるのか?が明確です。

 

自分の健康のためだけでモチベーションを維持するのは容易ではありません。

 

社会的動物である人は他者、社会とつながった形で健康行動を実践する方が習慣化を達成しやすくなります。

 

なぜならばマズローが提唱する承認と所属欲求の充足、アドラーのいう貢献感を刺激にすることになるからです。

 

対象者の支援においても誰のために、つまりICFでいう参加レベルでの目標設定が重要になります。

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特徴③小さな取り組みを仕組み化している

 

健康行動を習慣化している人は決して無理をせず小さく取り組み、生活の一部として実践しています。

 

ダイエット、筋トレなどの健康行動を始めるにあたっては現状を大きく変えず、不快、苦痛でない範囲で取り組むことが重要になります。

 

人にはホメオスタシス、現状維持バイアスといった健康により良い行動の習慣化を邪魔する特性が備わっています。

 

さらには目の前の苦痛を回避し、目の前の安楽を求める特性もあります。

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これらを乗り越え、健康行動を習慣化するためには手間や苦痛少なく取り組める量、負荷、難易度を設定する必要があります。

 

そしてその健康行動をいつ、どこで、どういう状況でするかという設定も重要となります。

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対象者の健康行動の習慣化のためには、短期的な利益を求めず、長期的な視点での行動の設定と提案が重要となります。

 

以上健康行動を習慣化している人の特徴に基づいて支援(目標設定、難易度調整)のあり方をまとめてみました。

 

対象者に関わらず自分自身の健康と幸福を促進するためにも、習慣化したい健康行動の実践にお役立ていただけると幸いです🙇‍♂️

 

参考図書